季節の山野草花木

実物植物  花よりも実の観賞価値が高く、成長・変化を長い期間楽しめます。
             4〜6月に開花し、8〜12月にかけて結実します。
             冬の間、小鳥が食べに来るまで実を付けているものも多く、
         紅黄葉の綺麗な種があり、1年中季節の変化を楽しめる のが魅力です。
   


 
万両 の仲間は、めでたい名前から正月飾りにも使われます。                    
葉にいろいろな斑や縮みが入るものや、白実種もあります。
     
千両は正月の生花の後、実生して育てた赤実の他、黄実種もあります。
カラタチバナ(赤実と白実)は百両、ヤブコウジは十両とも呼ばれます。
     
ヤブコウジは古典園芸植物として、斑入り葉など各種がありますが、
何故か花は咲けども実がなりません。。
     
いずれの種類も、夏に日に当てると歯が傷み、落果してしまいますので要注意。
  
 
 
万両 の 花と実 万両(恵比寿) の 花と実
 
 
万両(千鳥) の 花と実 万両(白鳳) の 花と実
 
 
 
北側軒下の棚で栽培 千両の花 千両の実 黄実の千両

 
カラタチバナ の 花と実 ヤブコウジ の 花と実
  

ヤブコウジの園芸品種〜左から「糸覆輪」、「白王錦」、「白王冠」、「日の出」の花です。
 
 


美男カズラ(斑入り) 〜 正式和名はサネカズラ(実葛)ですが、         
むかし茎葉から粘液をとって整髪料としたところから
ビナンカズラ
(美男葛)とも呼ばれます。
 
1本の斑入り葉種の苗木を鉢で育てた後、庭の北西隅に
植え、繁茂しています。
マツブサ科の常緑つる性樹木ですが、冬は雪に覆われて落葉します。

毎年夏に雄花と雌花を咲き分けて、雌花が受粉すると結実し、
晩秋に赤熟します。
   
雄花 雌花 9月中旬
 
10月初め 11月上旬 11月中旬 12月初め
 



ハナイカダ (花筏) は森林に自生するミズキ科の落葉低木です。                       
葉の上に花が咲き、実が着く という珍しい形態に驚き?!です。
名の由来はや実を載せた葉をに見立てた由。

 雌雄異株 ですが、今年も庭植えの雌株だけで実を着けました。
5月初め、葉の中央に1〜2個の淡緑色の花(雌花)をつけます。 
花後の小さな実(2枚目)は、6月末には大きく成長しますが緑色のままです。
 
 7月中旬から緑実が茶変し、更に黒く熟して輝きます。
ヒヨドリがやってきて熟したものから食べていきます。

  2010年夏は記録的な猛暑、異常な暑熱が続き、葉が枯れ落ちてしまいました。
(下段写真) その後、新芽が出て花をつけました。
いわゆる狂い咲き ですが、さすがに実は育ちません。
周りが紅黄葉する晩秋になっても、庭のハナイカダだけは新緑のまま雪囲いされました。
 
5月初めの花 6月下旬の緑実 7月中旬、茶から黒に 7月下旬黒熟した実
9月下旬、新芽が出て、小さな蕾も見えます 10月中旬の狂い咲き、11月下旬の若葉
 



クマヤナギ
 クロウメモドキ科の落葉つる性低木で、開花結実のサイクル が変わっています。
ホームセンターで小盆栽風の小鉢植えを入手しました。
8〜9月に緑白色の小さな花を多数開きますが目立ちません。
(花が枯れたようになっても剪定してはいけません)、
翌年春から実が成長して、夏に実が熟すと同時に、次年の結実のために花を咲かせます。

4月初め、まだ新葉が芽生えませんが、小さな実?が着いています。
5月初めには新葉が展開し、緑色に実が成長しています。
6月中旬、実に赤みが差してきました。
 
7月上旬には大部分が黒く熟し落果し始めます。黒熟した果実は食べると甘みがあります。

7月中旬、完熟した果実が落下する頃、
別の枝には粟粒のような花芽がついています。
右端は、9月に満開となった白い小花です。
4月初めの小さな実  4月末の実 6月中旬の実 7月上旬
 



ヒメイチゴノキ(姫苺の木) 地中海沿岸の原産でツツジ科の常緑低木で、鉢植えで育てています。
秋に咲くつぼ型の白花は、ドウダンツツジと良く似ている。
直径2cm程の実は、1年かけて緑色から黄色橙と変わって、赤く熟すので、
秋には赤実と白花が同時に見られます
実はジャムや果実酒に加工できるそうですが、我が家では専ら観賞用です。
 
9月中旬の実 10月末の実と花 11月初めの姿。 11月末の赤熟果

 


  
ロウヤ柿 (老爺柿、姫柿など)       
中国原産で、雌雄異株の小型の柿の木です。
安価な実生苗を小鉢で育てました。

実は野鳥に食べられずに春まで着いていたので、
採り蒔きしたら7月に芽が出て、
8月末には右のような子苗が出来ました。
 
5月初めの 雄 花 雌 花 9月下旬の緑実 11月末の赤熟実
 


 
次は、春4月から5月初めに開花して、夏7月から9月にかけて実が熟す 仲間です。    
これらの殆んどは、小苗から鉢植えで育てています。

サンシュユは大実のショリコ という品種ですが、生の実を口にしても渋くて食べれません。
ゴマギは葉を揉むとゴマの香りがし、実の色変化が楽しめます。
サワダツは花形がかわっていて、夏の直射は葉を痛めます。

シベリアンパール という名のシラタマミズキです。紅葉が落ちた後、赤い幹枝が美しい。
カンボクは、花もガクアジサイ風でとても綺麗。
ツキヌキニンドウは花が美しい花木ですが、花後に着く種子は赤い小さな宝石のようです。
 
     
早春3月に咲く サンシュユの花 8月初めの黄実から中旬には深紅の果実へ
 
5月初めゴマギの花 7月中旬の黄実 8月中旬の赤実 9月中旬の青黒実
 
サワダツ の 花 と 実 シラタマミズキ の 花 と 実
 
カンボク の 花 と 実 ツキヌキニンドウ の 花 と 実



 
以下は、晩秋に実が熟す鉢植え で育てている実物樹木です。
鳥に食われなければ春まで実が付いているものもあり、
実の多くは朱赤色ですが、緑、黒、紫、青色の実もあります。

美味しそうな赤い実ですが、専ら観賞用の実カイドウ姫リンゴです。
 ムラサキシキブは花も薄紫色ですが、紫に輝く実は雪囲いの中で冬の野鳥の
エネルギー源となります。(一般に売られているのはコムラサキです)
風鈴ガマズミは中国原産です。液果がたくさん釣り下がり、紅葉も綺麗です。
トキワガマズミの名で購入しましたが、洋種。メタリックブルーの実が強烈な印象です。
カマツカは小さな白花を咲かせ、秋には赤い梨状果が黄葉に映える

ツリバナは長い柄の先に花を着け、実が釣り下がる姿に風情を感じ、紅葉も美しい。
マユミの花は目立たない緑の小花だが、果実は熟すと果皮が割れて紅い種子が現れる。
ウメモドキの小花はアップで撮ると結構美しい。雌雄異株だが、雌木1本で実がなります。
ツルウメモドキも雌雄異株で花は目立たないが、実が割れると黄と赤のコントラストが絶妙です。
ナツハゼは釣鐘型の花を咲かせ、秋の黒実は食べられ、紅葉も綺麗です。
ヤシャビシャクは、深山の樹(ブナやミズナラ)上に生える小低木で、
毛の生えた果実は食べることが出来ます。
       
実カイドウ の 花 6月中旬の実 11月初めの果実 姫リンゴ の 実
 
 
紫式部 の 花 7月下旬の小さな緑実 10月末から12月 の 果実
 
風鈴ガマズミ の 花 8月初めの緑実 9月末の黄実 10月中旬の赤実
 
トキワガマズミ の 花 と 実 カマツカ(「福俵」)の 花 と 実
 
ツリバナ の 花 9月初めの 蕾 10月中旬の 果実
 
マユミ の 花 10月の 実 11月の 実 ハナミズキ の 実
 
6月に咲く ウメモドキ の 花 9月の実 10月の実
 
ツルウメモドキの花 9月の実 10月の実 12月の実
 
ナツハゼ の 花 9月 の 実 10月 の 実 11月 の 実
 
ヤシャビシャク の花 7月 の 実 9月 の 実 11月末 の 実


次の3種は庭植え です。

ピラカンサは鉢で大きくなったので庭に植えましたが、隣のモミジを追い越す勢いで成長し、
たくさんの花と実を着け、冬に野鳥を引き寄せました。
ナンテンの花は目立ちませんが、実はススキなどと競って秋を好演出します。
サカキは白花・黒実ともに美しいのですが、軒下に植えたためか成長がイマイチです。
 
  
ピラカンサ の 花 10月 の 実 11月初め の 実 11月末 の 実
 
ナンテン の 花 と 実 サカキ の 花 と 実
 


下の4種は草本 です。

ヒヨドリジョウゴはナス科の有毒植物らしいのですが、晩秋の赤い実が美しい。
ヒオウギは橙色の花がきれいですが、花後に種の入った袋を成長させ、
秋に漆黒の種子が顔を出します。夜や黒の枕詞である「ぬばたま」です。

リュウノヒゲ(またはジャノヒゲ)の瑠璃色の種子には驚きました。
主に葉を観賞するコクリュウ(黒竜)ですが、花も実も好いですね。
 
        
ヒヨドリジョウゴの 花 と 実   ヒオウギの 花 と 実(ぬばたま
 
 
リュウノヒゲ の 花 と 実 コクリュウ の 花 と 実
 

2008.01.25. 更新 
2009.03.10. 更新 

2011.02.27. 更新